朝日新聞東京本社(写真:西村尚己/アフロ)

(※JBpress編集部注)本稿は、JBpressのYouTube番組「西田亮介の週刊時評@ライブ」に出演した国会議員の発言を朝日新聞がそのまま抜き出す形で記事化した問題について、番組のホストを務める西田亮介氏が、自身の見解を示したものです。朝日新聞は5月23日、JBpressが22日に配信した動画内での国民民主党・伊藤孝恵参院議員の発言を一部抜粋し、「16日収録のインターネット番組で」というクレジットで記事配信しました。これについてJBpress編集部は27日、朝日新聞社による著作権侵害の疑いがあるとして、同社に記事作成の経緯の報告や当該記事の削除を正式に求めました。朝日新聞社は29日夜、JBpressに著作権の侵害はないとする回答を寄せつつ、当該記事のクレジットを番組名を明記する形に修正しました。動画の出演者である西田氏による本稿は29日夕までに執筆されたものであり、朝日新聞社が上記対応をする以前のものです。

(西田 亮介:日本大学危機管理学部教授、社会学者)

好調な滑り出しを見せた新連載だったが…

 もし皆さんが丹精込めて作った作品を勝手に大企業に模倣され、その大手企業がさも当然のような顔をして複製、販売し、利益を挙げているとしたらどう感じるだろうか。

 それが信頼を第一とするはずの新聞社だったら?「報道利用」を免罪符にしているとすれば?

「まさかそんなことが起こるはずがない」と考える読者が大半だろう。

 ところが、筆者、そして本連載を掲載しているJBpressは厚顔無恥な行為を行っている新聞社を目の当たりにしている。

 朝日新聞社である。

 ことの発端は筆者のJBpressにおける動画の新連載だ。今月始まったばかりだ。

 筆者がホストを務めるYouTubeの対談シリーズで、月1回の更新を目指している。

西田亮介の週刊時評@ライブ

 連載名からやや懐かしいインターネットを想起する読者諸兄姉もいるものと思われるが、本連載の姉妹編だ。

 その第1弾のゲストが国民民主党の伊藤孝恵参議院議員だった。

 国民民主党といえば、玉木代表や榛葉幹事長が目立つ。他の議員の声も聞いてみたかったというわけである。

 コンテンツは2025年5月16日に収録して、四分割して5月22日から順次公開された。

 以下の通りである。

【キレ芸・西田亮介vs国民民主・伊藤孝恵】政治とSNSの舞台裏/リハック怖い?/なぜ現役世代を狙う?/話題の激怒動画…真相は/国民民主党はネット...

【西田亮介が詰める!元議員4人公認】国民民主党・伊藤孝恵氏はどう答える?/確認書の真意/手取りは本当に「もっと」増やせる?/国民民主は政策オタク...  

【西田亮介×伊藤孝恵】国民民主党・ネット選挙の全貌/石丸伸二の手法にも学んだ/ソーシャルリスニング/AIファクトチェック導入/1億回再生目指す動...  

【西田亮介×就職氷河期世代・伊藤孝恵】私も100社落ちた!/当事者だかこそのホンネ/どうする低年金問題/玉木雄一郎総理誕生?/榛葉幹事長人気のヒ...  

 新しい連載やシリーズが始まるときには、いつもある種の緊張感に包まれる。

 コンテンツは作り込むとはいえ、結果、やはりある程度のボリュームで視聴され、読まれるかどうかが問われ、ネットの場合には即、結果となって自らに突きつけられるからだ。

 有り難いことに伊藤氏の話はとても充実していた。

 4人の著名な比例候補に対する率直な感想や、AIファクトチェックなどあまり報じられていなかった内容も含めて、意義深い内容を引き出せたといえる。お陰で東洋経済オンラインなど他媒体からも言及されるなど手応えを感じた。

 しかも初回としては、いきなり2本目の動画が20万再生を上回るなど、新連載としてもなかなか好調な出だしになった。

 そこにミソをつけたのが朝日新聞社だ。