映画終盤で追及される“最大のタブー”

 映画版は、テレビ版に加え、同番組が放映された2024年5月以降も、仮設住宅に移った町民の見守り活動を続ける滝井さんや、地震後、変わりゆく町長や町議員、そして町民の姿を記録し続ける。

 だが、それだけで作品を終わらせないのが、前々作の『はりぼて』で不正に手を染めた富山市議らを次々と辞任に追い込み、前作の『裸のムラ』では馳知事を激怒させ、定例会見拒否に至らせた五百旗頭監督、である。

 映画の終盤では、「タブーをもたないで報道してほしい」との滝井さんの思いを受けた五百旗頭監督が、穴水町“最大のタブー”に挑み、次々と関係者を直撃していく。そして、それによって彼は、町長や町議員だけでなく、彼らを支える町民たちにも、さらなる意識改革を促すのだ。

 映画「能登デモクラシー」は5月17日から、ポレポレ東中野(東京)、第七藝術劇場(大阪)で公開が始まる。24日以降は地元・石川のシネモンド(金沢)など、全国の劇場で順次公開される。詳細は映画公式サイトで。