アマゾン、Q1は増収増益も株価下落 将来の関税懸念が影
アマゾンの2025年第1四半期(1~3月期)決算も、売上高・利益ともに市場予想を上回る好調な内容だった。しかし、同時に発表された4~6月期の業績見通しが、関税への懸念を示す慎重な内容と受け止められ、決算発表後の時間外取引で同社株価は下落した。
1~3月期の売上高は前年同期比9%増の1556億6700万ドル(約22兆6300億円)で1~3月期として過去最高を更新した。純利益は64%増の171億2700万ドルに達し、ウォール街の事前予測を上回った。主力の電子商取引(EC)事業に加え、広告事業も18%増と予想を超える成長を見せた。1~3月期は9四半期連続の増収増益だった。ただし、増収率は8四半期ぶりに1桁台にとどまった。
○EC広告18%増、主要事業は軒並み増収
事業別では、直営のネット通販が前年同期比5%増の574億700万ドルだった。外部出品者からの手数料収入や出品者向け物流サービス収入は6%増の365億1200万ドル、有料プログラム「Prime(プライム)」の会費などサブスク収入は、9%増の117億1500万ドル。
傘下の「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」や直営の「Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)」などの実店舗事業の売上高は6%増の55億3300万ドルだった。
一方、自社のECサイトやECアプリ内で展開するネット広告事業は急成長が続いている。その売上高は18%増の139億2100万ドルで、8四半期連続で100億ドル超えを達成した。
○ジャシーCEOが関税リスクに言及、見通し「慎重」
この好調な実績にも関わらず、株価が決算発表当日の時間外取引で一時4.3%下落したのは、4~6月期の業績見通しに対する市場の懸念が背景にある。
同社は4~6月期の売上高を1590億~1640億ドル、営業利益を130億~175億ドルの範囲と予測したが、市場調査会社の米イーマーケターのアナリストが指摘するように「ガイダンスは『慎重』であり、関税を巡る不確実性が高いこと示す」と受け止められた。特に見通しの下限値が市場予想を下回ったことが、投資家の警戒感を誘った。