
プロ野球の二軍以下のことを「ファーム(農場)」という。文字通り、一軍で活躍しそうな選手を「栽培」「育成」するからだ。この言葉はMLBから来ている。
1920年頃までのMLB球団は、日本でいう「一軍」しかなく、下部組織は存在しなかった。
選手育成のため独立リーグ球団を買収
当時、MLB以外に多くの「独立リーグ」が存在したがMLB球団はこうしたチームから選手を獲得していた。
ベーブ・ルースも、ボストン・レッドソックスが当時独立リーグ、インターナショナルリーグのボルチモア・オリオールズ(現存チームとは無関係)から獲得した選手だった。
しかし「独立リーグ」から選手を獲得するのはコストがかかりすぎるうえに、MLB球団が望む能力、技術を身に着けた選手を獲得できるとは限らない。
そこで、セントルイス・カーディナルスのGMだったブランチ・リッキーは1924年に独立リーグのヒューストン・バッファローズを買収して傘下に収め、ここに球団が獲得した選手を送り込み育成した。これが最初の「ファームシステム」だった。
この「ファームシステム」が多くの有望選手を輩出したことで、MLBの他球団も独立リーグ球団を傘下に収めるようになった。
こうしてMLBの「ファーム」である「マイナーリーグ」が誕生した。