
(大井 赤亥:衆議院議員政策担当秘書・広島工業大学非常勤講師)
日本最初の「政党」から125年
永田町の憲政会館にて企画展「西園寺公望・原敬」が開かれている。「伊藤博文・山縣有朋」に続く「人物シリーズ『継』」の第三弾である。国会からわずか徒歩3分の立地ながら、政争を離れた歴史の香りに包まれている。
日本で初めて作られた「政党」は、1900年、伊藤博文が作った政友会。時代の流れを察知した伊藤が藩閥から政党への転換を図るも、政友会の本質は、国家に従属するする公党、官僚を中心とする吏党、そして伊藤の「総裁専制」たる個人政党だった(井上寿一)。
その伊藤の政友会内閣さえ、宿敵・山縣有朋の切り崩しにあい、予算を通すにも四苦八苦、党内対立の末にわずか7カ月で崩壊する。
政友会を継いで本格的に党勢を拡大したのが、1918年、「平民宰相」たる原敬内閣である。原は政党政治の正統的な継承者となったが、1921年に暗殺され、強力な指導者を失った政友会は2年後に分裂。やがて政治権力は軍部に簒奪(さんだつ)され、日本での政党の誕生は苦難の歴史であった。

政友会発足から125年をへて、政党が日本社会に根付いているとはいい難い。
言論NPOが2019年に行った調査では、皇室や自衛隊、裁判所や企業といった機関への信頼度が7割から8割に達している反面、政党への信頼度は23%と著しく低い。多くの国民は政党について、特権や優遇を受けていると感じる反面、課題解決力があるとは思っていないのが現状である。
政党はいかに有権者の信頼を得て、市民社会に根を下ろすことができるのか。本稿では政党の財政のあり方に注目し、論点を整理して改善策を展望したい。