
東京都への一極集中が止まらない。最新の2025年5月の住民基本台帳人口は1406万843人で、このうち外国人は75万589人となっている。ともに過去最高である。都内の人口に占める外国人の割合は5.3%だ。
20年前の2005年5月は人口1256万8036人、外国人35万9902人(2.9%)だったので、この20年間で総人口が149万人余り増えたことになるが、外国人人口は約39万人増加して2倍以上に膨れ上がった。
あらゆる価値が下がった割安の日本に外国人がなだれ込んできたということだ。この数年、中国人富裕層らによるタワマンや高級不動産の買いあさりがクローズアップされたが、最近は別の社会現象が問題視されている。ジャーナリストの山田稔氏が検証する。
人種のるつぼ「新宿区」では居住外国人の37%が中国人
まずはあまり知られていない実態を紹介したい。都内の外国人の居住実態の一端である。人種のるつぼといわれる新宿区のデータを見てみよう。2025年6月の新宿区の人口は35万4877人で外国人は4万9878人。人口に占める割合は14.05%にも達する。7人に1人が外国人ということだ。
驚くのは居住者の国籍数。無国籍を除くとなんと133カ国の人々が暮らしているのだ。外務省が認めている世界の国数は196(日本を含む)。つまり外国195カ国のうち133カ国、約7割の国の人々が住民登録していることになる。
最多は中国で1万8652人、2位は韓国で9129人、3位はネパールで5325人となっている。新宿の外国人約5万人のうち37%が中国人ということである。歌舞伎町界隈に中国料理店からマッサージまで一大産業を形成しているのもうなずける。もっとも、実際の居住人口はさらに多いという見方が強い。
「公式の数字はあくまで住民基本台帳に届け出ている人の数ですからね。中国人の住居に居候したりしている人を加えたらどこまで膨れ上がりますかね」(新宿区の住民)
東京都全体でみると、中国人人口は約28万人(2025年1月1日時点、以下同)で、最多は江東区の1万9953人、以下は新宿区1万8623人、足立区1万8421人、江戸川区1万7340人と続く。
湾岸エリアのタワマンが聳える江東区、JR総武線や地下鉄東西線が走り都心へのアクセスがいい江戸川区、不動産価格が割安で再開発が進む竹ノ塚や北千住がある足立区などが人気化している。