
全韓国人が惜しんだフーバオとの別れ
動物園の人気者で、さまざまなグッズも作られるジャイアントパンダ。中国特有の固有種で、外国にいるパンダは原則として保護研究を目的とした有償での貸与となる。
ワシントン条約の規制で、所有権は常に中国にあり、パンダが産んだ子どもの所有権も中国にある。日本ではリーリーとシンシンが19歳と高齢のため、昨年、9月に上野動物園から中国に返還された。
彼らの子どもである双子のシャオシャオとレイレイは2021年6月に誕生。返還期限は都と中国野生動物保護協会との協定で2026年2月20日となっている。現在、上野動物園のパンダはシャオシャオとレイレイだけなので、今後、上野からパンダが消える可能性がある。
何度体験しても寂しいパンダとの別れ。故郷に帰すのは喜ばしいはずだが、特に赤ちゃんから知っているパンダを送り出すのはどこか巣立つ子を見送る親のような、どの国にも共通の切なさがある。
『私の親愛なるフーバオ』は韓国で初めて生まれたジャイアントパンダ、フーバオと飼育員たちの1354日間を記録したドキュメンタリー。コロナ禍に生まれたフーバオは韓国のパンダブームを巻き起こし、「幸せを与える宝物(福宝)」という名前に相応しく、韓国のみならず、世界から愛される存在へと成長した。

4歳になる2024年、中国への帰国が間近に迫ると、最後のお別れをしようとファンたちが殺到。韓国のアミューズメントパーク「エバーランド」はかつてない盛況となった。